君の声が聞こえる
 看護婦の目頭に涙が滲んだ。

その場にいた医師達がつらそうに目を伏せた。それだけで、雅巳はこの病院でもみんなに愛されていた事が分かった。

「雅巳、目を開けてくれよ。俺と一緒に家に帰ろう!」

 僕の目から涙がとどめなく流れた。僕は雅巳との愛の証と引き換えに、雅巳の命を失ってしまったのだ。


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