君の声が聞こえる
その美しさは誰が見ても見惚れる事が出来るものだったけど、なんだか冷たい感じがした。
その隣にいる喪主を務める加藤君は、雅巳の母親とは対照的に青い顔をしていて、お悔やみの言葉さえろくに口にする事が出来ない有様だった。
実際お通夜の方の進行もほとんど、雅巳の母親が取り仕切り、名ばかりの喪主を務めた加藤君は固く結んだ唇を噛み締めながら、雅巳の遺影と棺の中の雅巳を見つめているだけだった。
真っ赤に腫れ上がった目は涙が枯れるまで、泣いた証拠だろう。
きっと、今の私も加藤君と同じ顔をしているに違いない。
それに比べて雅巳は不思議なほど穏やかで安らかな死に顔だった。
本当に幸せそうに、微笑さえ浮かべた死に顔はとても美しくって、まるで眠っているようだった。
このまま声をかけたら目を覚まして「良枝、私、どうしてこんなところにいるの?」とでも言い出しそうな気がして、雅巳に触れたい衝動に駆られたほどだ。
そう感じたのは私だけではないらしい。
隣で私の体を支えていた母がポツリと私の耳元で呟いた。
「雅巳ちゃん、しばらく見ない間にますます綺麗になった。きっと……幸せだったのね」
その隣にいる喪主を務める加藤君は、雅巳の母親とは対照的に青い顔をしていて、お悔やみの言葉さえろくに口にする事が出来ない有様だった。
実際お通夜の方の進行もほとんど、雅巳の母親が取り仕切り、名ばかりの喪主を務めた加藤君は固く結んだ唇を噛み締めながら、雅巳の遺影と棺の中の雅巳を見つめているだけだった。
真っ赤に腫れ上がった目は涙が枯れるまで、泣いた証拠だろう。
きっと、今の私も加藤君と同じ顔をしているに違いない。
それに比べて雅巳は不思議なほど穏やかで安らかな死に顔だった。
本当に幸せそうに、微笑さえ浮かべた死に顔はとても美しくって、まるで眠っているようだった。
このまま声をかけたら目を覚まして「良枝、私、どうしてこんなところにいるの?」とでも言い出しそうな気がして、雅巳に触れたい衝動に駆られたほどだ。
そう感じたのは私だけではないらしい。
隣で私の体を支えていた母がポツリと私の耳元で呟いた。
「雅巳ちゃん、しばらく見ない間にますます綺麗になった。きっと……幸せだったのね」