禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
あたしは、本当の名前すら無くしてしまった。



6歳のとき、お母さんがお父さんを殺した。



あたしには、それしか分からない。



夜中にいっぱいサイレンが響いて。



目を覚ましたら、警察の人がいっぱい家の中にいた。



「お母さんは、しばらく帰って来れないから。お友達がいっぱいいる所に行こう?」



優しく微笑んでくれた警察の人。



何が起こったかも分からないまま、施設に連れて行かれた。

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