禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「…。」



なんて答えていいか分かんない。



ただ、止まってた涙が、ポロポロ出てくるだけ。



「仕事だったのかって聞いたら、行かなかっただけだって。」



その一言で…



何もかもが終わった気がした。



あたしは、神楽に避けられてる。



一晩中、茶室で泣いたのに。



「ごめん。仕事だった…。」



そう言いながら、少し困った顔して。



いつ躙り口から入ってくるだろうって。



ずっと期待してたのに。



< 220 / 341 >

この作品をシェア

pagetop