禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

「ここに、何の用事があるの?」

「いいから。」



そう言って、車から降りた。



宮埜の後を歩きながら、キョロキョロとビルの中を見回した。



特に、変わった所もないけど。



「さて、どうぞお嬢様。」



ニッコリと笑って、ドアを開けた。



そこは、ビルの3階のショップ。



「何ココ…。」



ショップの中に一歩踏み入れたけど。



そのまま足は固まって。



キョロキョロと、頭だけが動いてる。



「必要だろ?今度のパーティードレス。」


「誰が出席するって言った?」



気持ちは嬉しいけど。



神楽と母親の喜ぶ姿を平然と見てる自信はない。


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