禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~

甘い幻が砕け散った破片が。


ドキン
ドキン


って、鼓動を打ってる胸に深く刺さって。


頭の中は真っ白。


「バカバカしい…子供が欲しいのか?それで満足か?だったら作ってやるよ。」


ドガッ!!!!


投げ倒されたデスクの上。


宙を舞う書類。


「ヤッ…!!!」


小さな悲鳴と共に、神楽のネクタイで縛り上げられた腕。


「静かにしろ。やることやらなきゃ、子供なんか出来ないだろ?」


声まで氷のように冷たい。


「ちが…そんなんじゃ…!!」


拒絶しなきゃいけないのに。


何回も…


何回も…

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