禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「…晴沢?」



開いた目の中に、必死に抱き止める晴沢の顔があった。



朝にもなってないし。



さっき、落ちようとしたビルの上。



あたし…。



「よかった。間に合って。」



泣きそうな顔をしながら、ギュッとあたしを抱きしめた。



「どうしてここに、晴沢がいるの?」

「晴沢だけじゃないよ。」



そう言いながら、英里奈と宮埜が立ってる。



「…一体、何が起こってるの?」



状況が理解できない。



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