禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「奏凛ちゃんにいて欲しいのは、最低でも3人はいるってこと。」



そう言いながら、宮埜が微笑んだ。



「意味が分かんない。」



だって、晴沢に英里奈。



ここにいることを知ってる宮埜。



これも夢?



「話は宮埜さんから聞いてた。」



ポツリと英里奈が口を開いた。



「…ごめん英里奈。こんな状況になって。」



あたしには、謝るしかできないよ。



「いいの。覚悟はしてたから。逆に全く知らないどこかの女よりは、奏凛で良かったって思うよ。」



そう言って笑ってくれる。



その温かさに、涙が止まんない。



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