禁色の囚人~きんじきのとらわれびと~
「逃げられないの、知ってるでしょ?」



あたしは、宮埜と政略結婚させられるんだから。



宮埜も逃げられないんだよ。



「大丈夫だから、一緒にいさせてくれよ!!」



力強い腕と言葉。



少し鼻に掛かってる声は、晴沢も泣いてるから?



「大丈夫じゃないでしょ?」



力いっぱい晴沢を振り払った。



「そうでもない。」



重たそうに口を開いた宮埜。



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