~1day Love minutes~
 相変わらず、会話はない…。


(きっ、気まずい・・・)


「そういえば、おいくつなんですか?」


 そう尋ねてみた。


「俺? 15」


「そ、そうなんですか。私も15なんです」


「へー、んじゃ同い年だったんだな」


「そうですね・・・」


 少し、焦りながら私は言った。


 
 ―――再び訪れた沈黙。


「なぁ・・・」


「はっ、はい!?」


 急に話しかけられたので、驚いて声が裏返ってしまった。


「ははっ、そんな固くならなくても」


「そ、そうですよね。ごめんなさい」


「あのさ、別にタメなんだから敬語じゃなくても良くね?」


 それもそうだ。だが、その大人びた横顔を見ると、どうしても同い年とは思えなくなる。


「あ、はい・・・じゃなくて、うん?」


「何で疑問形だよ(笑」


 笑った顔は無邪気で子供っぽかった。私は思わず顔が緩んだ。


「なーんだ、ちゃんと笑えるんだな」


「当ったり前でしょっ。楽しかったら笑うし・・・」


 一気に気持ちがほぐれ、つい強気になってしまった。


「へぇ、さっきとは随分態度が違うじゃん?」


「うっ・・・なんか、つい・・・」


 私は思った事がすぐに口に出てしまい、いつも後悔している。


「正直で良いけどなっ」


 そう言って彼はまた笑った。不覚にも一瞬、その笑顔にときめいてしまった自分がいた。
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