DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―2―)
エルカイザ帝国、首都アルマ――
規則正しく敷き詰められた石畳を、背中に大きく白い十字のラインが入った紺色の軍服に身を包んだ兵士たちが整然と並び、硬い靴音を響かせ行進していく。
居住用の背の高い四角い建物や様々な店が建ち並ぶ大通りは、早朝にもかかわらず見学に押し寄せた民衆で、普段以上の活気に満ちている。
兵士の長い行列の後方。
しばらくの間隔をおいて、色とりどりのリボンや花で飾られた、黒塗りの、屋根のない車が姿を現すと、民衆の間からため息にも似た感嘆の声があがった。
「あれが我が国の守護天使様……」
兵士と同じデザインの、ロングコートに身を包み、車上から手を振る少女達の美しさに
「きれい」
道路わきで見守っていた幼い少女が目を輝かせる。
傍らでその言葉を聞いた母親も、思わず頷いた。
彼女達の本来の役割も忘れ――
エルカイザ帝国、首都アルマ――
規則正しく敷き詰められた石畳を、背中に大きく白い十字のラインが入った紺色の軍服に身を包んだ兵士たちが整然と並び、硬い靴音を響かせ行進していく。
居住用の背の高い四角い建物や様々な店が建ち並ぶ大通りは、早朝にもかかわらず見学に押し寄せた民衆で、普段以上の活気に満ちている。
兵士の長い行列の後方。
しばらくの間隔をおいて、色とりどりのリボンや花で飾られた、黒塗りの、屋根のない車が姿を現すと、民衆の間からため息にも似た感嘆の声があがった。
「あれが我が国の守護天使様……」
兵士と同じデザインの、ロングコートに身を包み、車上から手を振る少女達の美しさに
「きれい」
道路わきで見守っていた幼い少女が目を輝かせる。
傍らでその言葉を聞いた母親も、思わず頷いた。
彼女達の本来の役割も忘れ――