DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



『アイアン・メイデンプロジェクト』



長らく秘密裏に軍で行われていたプロジェクトの産物……

エルカイザの守護天使の存在が国民に発表されたのはつい先日のこと。

この日のパレードは、国の守護天使たる戦乙女を披露するためのものだ。

「なんでこんなことしなくちゃならないのかしら」

自分達を見て歓喜の声を上げる民衆に手をふって応じながら、ミカエルは小さくつぶやいた。

「国民の士気を高めるためでしょう?まじめにやりなさいよ」

ミカエルの声を聞きとがめ、隣で同じように手を振っていた少し背の高い少女がたしなめる。

「やってるわよ」

少しむっとして、ミカエルは横にいる少女をちらと睨んだ。

少し短めの金髪の巻き毛に覆われた顔の、緑色の瞳がきつくそれを見返す。




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