DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
その視線が更にミカエルの神経を逆撫でした。
ミカエルの顔に笑みが浮かぶ。
だがその笑顔に存在するのは氷のような冷たい温度。
歪んだ笑みを湛えた唇で、ミカエルは隣の少女へと言い放った。
「でもね、ラファエル……この人たちはあたしたちがただの人殺しだってわかってるのかしら? 」
皮肉をこめて紡がれた言葉を投げつけられ、ラファエルの瞳は少し曇ったが
「人殺しではないわ。私たちはこの国を守るために戦ってるだけよ」
人殺しと言うミカエルの言葉を否定して、再び民衆の方へ向き直る。
「ミカエル、ラファエル、争わないで」
それを見て、二人のやり取りを後ろから見守っていた少女が不安げな声をあげた。
「私たちは血はわけていなくとも、唯一互いを分かり合える姉妹のはずでしょう? 」
車上にいる三人のなかでも一際小柄な白髪の少女は、そう言いながら紫電の瞳を潤ませている。
「ああ……ごめんなさいガブリエル。不安にならなくても大丈夫。あたしたちは姉妹よ、争ったりなんてしない」
ミカエルは慌ててガブリエルの方を向き、なだめると、その白く細いさらさらとした髪を撫で
「今、この場にいない姉妹も含めてね……」
そっと、そう付け加えた。