DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



「じゃ、いきますか」

くるりと廻された槍の先が宙でぴたりと止まる。

アレックスはナイフを構えもせず、じっとその先端だけを見据えた。






静止した槍の先にほんの僅かな……震え。





次の瞬間には耳元で風を斬る音。

「お? やるねえ」

閃光のごとき一突きを僅かに上体を逸らすだけでかわしたアレックスに、ファーレンの目が見開く。

(なるほど……速い)

逸らした上体を戻し間際に、アレックスはファーランにちら、と視線を走らせる。

呑気に声をあげながらも、かわしたばかりの槍の切っ先で次なる一撃を繰り出すファーラン。

弧を描き、上段から斜に振り下ろされたその斬撃を三歩分後方に跳び、かわす。

「まだまだっ」

着地を狙い、さらに射抜くように伸び、迫る槍。


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