DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
――ガッ
慣れぬ振動を伴う音と衝撃に、ファ―レンの目が丸くなる。
周りで見ていた兵士達も、一瞬ぽかんとした表情を浮かべた。
「マジで? ……蹴るか?普通」
思わず漏れたファ―レンのぼやきそのままに、アレックスは文字通り。
着地を狙って突いてきた槍の先を、着地の瞬間、金属製の固いブーツのかかとで蹴りとばした。
目標から逸れて、地面に突き刺さった先端。
ファ―レンはそれを勢い良く引き抜き、再び構える。
「なるほど、かわすの上手いね。でも、この間合いをどうやってそのナイフで詰めるつもり?」
手には握られているものの、先ほどから少しの攻撃の気配をみせぬアレックスのナイフを見やり、ファ―レンは不敵に笑った。
確かにことごとく攻撃をかわされているものの。
長距離から繰り出される速い攻撃……アレックスが自分から攻撃する隙はなく、先ほどから二人の間の距離は縮まることは無い。
「このままじゃ、試合……終わんないよ?」
だが、そう言うファ―レンの顔を見つめるアレックスの表情に、やはり変化はない。