DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「妙なところで頭が固い娘でな……医者の信念とかいって、怪我人や病人はかたっぱしから観て、金が無い患者もお構いなしだ。どうせろくに儲けてもいないだろうからな」
ガーフィールドに預かった封筒は厚みがあり、手紙と共に札束が入れられている。
アレックスはそれを、西に行くついでにカラヤで医者をしているガーフィールドの娘夫妻。リリスの両親に届けてくれと頼まれたのだ。
どうせ立ち寄るつもりだったし、確たる行き先が決まっているわけではない。
アレックスは快くそれをひきうけた。
「アナベルさんとレイのこと、頼みます」
リリスのほうを向いてアレックスが頭を下げると
「気にしないでください! どうせおじいちゃんのお店ほとんどお客さん来ないし、暇してしてますから」
胸をこぶしで叩きながらリリスがカラカラと笑う。
「そんな言い草はないじゃろう?」
隣でガーフィールドが苦笑混じりに、ボリボリと頭を掻く。
そんな二人のやりとりを見てアレックスが笑みを浮かべた時、発車を知らせるベルが鳴った。