DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「……っ」
無意識に握り締める手に力がこもったのだろう。
じゃら、という自らが手にした武器の鎖の音に、不意に静寂を乱され、ウリエルはハッとして息を漏らした。
窓辺に腰掛けたままの体勢は崩さずに居たが、何時の間にか意識が離れていた。
まだ少しぼんやりとしたまま、ずっと見ていたはずの外の景色へと視線を泳がす。
日の角度は、先ほどとそうかわってはいない。
意識が飛んだのはそう長い時間ではなかったらしいと気付き、安堵の息を漏らす。
ファーレンがアルマに連絡を取り、そのまま待機するようにと王妃からの伝令があったことを聞いたのが正午過ぎ。
再び仮眠をとりに階下の小部屋にファーレンが下がってからもずっと、ウリエルは眠ることもせずそとの様子を伺っていた。
一晩でもぬけの殻になった敵の陣地を見据え。
昨夜の異変について考えていたが、やはりわからないことが多すぎる。
何か、妙な予感のようなものが胸をざわつかせて……
休む気にはならなかった。