DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
人間だったウリエルが持たなかったもの。
知らなかったものを。
王妃は与えてくれた。
だから、報いたいと思う、期待にこたえたいと思う、喜ばせたいと思う。
ラファエルよりも、ガブリエルよりも。
最新型であるミカエルよりも。
誰よりも王妃に尽くしたい……見て欲しい。
それが、今のウリエルの全て。
正直、国がどうなろうと、戦争が続こうが終わろうが、そんなことはウリエルにとってはたいした問題ではないのだ。
ディラハンが攻めてこようが、一夜にして姿を消してしまおうが……
だけど、このまま手ぶらで王妃の下へは顔は出せない。
何か……
何でもいい、何か王妃を喜ばせられることはないかと、何か持ちかえれるものはないかと気が焦る。
焦る気持ちと反して、ただただ静けさに包まれた外の様子に余計に苛立って、一際強く指を噛み、窓際から一旦降りようとした時。
ウリエルは視界の端に何かを捕らえ、その動作を止めた。