DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
問い返す父に、大きく頷き
「はい。エルザに買っていってやろうかと思って。退屈してるようで……昨日も部屋を脱け出してしまって、乳母のエマを困らせてましたから」
その理由を話す。
妹のエルザは生まれつき病弱で、少し動けば熱を出して寝込んでしまう。
だから、常に部屋で安静にしてるよう言いつけられてるのだが、少しでも具合がよければ部屋を脱け出してしまう。
無理もない。
そんな生活自分だって御免だし、まだ十にもならないエルザが退屈しないわけがない。
少しでも気晴らしになればと思い、本を買って帰り、読んでやろうと思っていた。
「そうか……アレも可哀想な子だ。身体は弱く生まれたのに、気性は活発な子だ……そうだな」
少しだけ、切なげな色を目元に浮かべ、父は思案するように顎に手を当てた。
「それに、クロード……様も本を読むのが好きですから何か一緒に」
後押しするように付け加えねだると
「……いいだろう、まだ王との面会まで時間もある」
父はそれに同意してくれ、運転手へその意を伝えた。