DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


首都アルマの一つ前の町にある大きな書店。その前に静かにゆっくりと横付けにされた黒塗りの車。

それを通りすがりの人々が、好奇の色を浮かべて横目で見やる。

この国で、車を所有するのは一部の大富豪か、軍の高官くらいのものだ。

どんな人物が乗ってるのか、自然と興味をひく。

そんな視線の集まる中、止まった車から足を踏み出し周りを見回すと、皆、慌てて目を逸らし歩む足を速め離れていった。

と、その時。

そそくさと移動してゆく人の流れの向こう側。

それより一段低い人垣があるのに気がついた。

子供の集団。

彼らはコチラに興味を示すことなく背を向けて何かを取り囲んでいる。

ぐるりと並ぶやせ細った足の隙間から、囲われたその中心にあるうずくまる人影が見えて、思わず足を止め耳をすました。


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