DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「やめておきなさい」
後ろから降ってきた静かな声と、肩に置かれた大きな手にそれを阻まれ、足を踏み出すことが出来ず。
目の前、やや離れたところで振りかぶられた手から小石は放たれた。
「あはははは」
一斉に湧き上がる笑い声に不快感を覚え、引き止めた手の持ち主を恨めしげに見上げ
「でも父上。可哀想です」
抗議の声をあげる。
「いいから……よく見なさい」
促され、渋々再び人垣へと視線を戻すと、石を投げつけられた少女の額から、細く赤い線が伝うのが見え、さらに不快感が増した。
まだ、エルザとかわらないくらいだというのもあって、幼い少女に何故あんな仕打ちをするのかと怒りが湧き上がる。
理不尽さと、石を投げるのを止められなかった歯がゆさに思わず眉をしかめた。
だが、そんな様子が見えているはずなのに、父は変わらず淡々と続ける。
「あの子は賢い。一言も言い返しも抵抗もしない、それが一番最善だと知っているからだ」
その言葉が言い終わるか終わらないかのうち……