DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「ちっ、つまんねーの」
一番大柄の少年が吐き捨てる声が聞こえた。
多分彼があのグループのリーダーなのだろう。
行こうぜ、と促すように手を上げて歩き出した彼に続きぞろぞろと他の子供たちも移動していく。
ひとり残された少女は。
額から流れる血を拭うことすらせず、一言も声も発しないまま、ずっとうつむいて動かず立っていた。
「ここで、お前が出て行って彼らを止めたとしても、また彼らは彼女を見れば同じ事をする。その時お前はもうここにはいないだろう……」
子供たちの集団が先の角を曲がり、姿を消した頃、ようやく少女は顔を拭い反対方向へと、とぼとぼと歩き出す。
「一度邪魔をされた彼らはもっと酷いことをするかもしれない。その場限りしか助けられないなら余計なことはしないほうがいい」
小さな背を見送りながら、父が語る言葉に、その顔を振り仰ぎ
「でも……」
まだ煮えきれない気持ちを口にする。