DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


幾多の不幸を目にし、無力さに溜息をこぼしながら今もこうして、あの頃と変わらぬ世界に生きている。

たったひとつほどの、世界の中ではごく小さな不幸すら救えずに。

父が言うように根源を正さねば、きっと何も変わらないだろう。

だけど、どうすればいいかすらわからない。

わからないままに、ただあがいてあがいて。

そして死していくしかないのか……

たったひとりも。

目の前にある不幸も救うことすら出来ずに。

「隊長!! 大変です……侵入者が……」

ドアを開けると、走ってきた上に声を張り上げていた兵士は喘ぐように口をぱくぱくさせながら訴えてきた。

「侵入者?」


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