DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
何をこんなに慌てているのだろうか?
まだ寝起きではっきりとしない頭を傾げていると
「……ん?」
頭上から、パラパラと何かが落ちて、ドアノブにかけた手の甲にあたった。
砂のような、埃混じりの土くれ。
そして頭上から微かに、何かが崩れるような音。
「ウリエル様が……私たちでは相手にならないと……引っ込んでろと言われたのですが、このままでは城壁が壊れてしまいます!!」
ようやく、息をおちつかせた兵士が一気にまくし立てる。
「ウリちゃんが?」
ということは、彼女が相手をしている?
そして、この騒動。
「相手は何人なんだ?」
ようやくぼんやりしていた頭がはっきりとしてきた。
「それが……細身の女一人で……」
「女? ひとり?」
守護天使が相手をするたったひとりの侵入者の、女。
その言葉が脳に伝わった瞬間、ファーレンの目が見開かれた。
僅かに残っていた眠気が一気にふっとんで、思わずポカンと開けた口から気の抜けた声が漏れる。
「何だ? それ」