DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



訴えるように語られる、ルシフェルの言葉。

争う気はないと言っていたのは本心らしい。できるなら今この場も、すぐに戦うことをやめたいと思ってるのだろう。

そんな空気が伺い知れる。

だが

「うるさい!! そんなの知るかよ」

ウリエルはそれを一蹴した。

強力な風圧を伴う一撃が容赦なく振り下ろされ、ルシフェルはそれを受け止めるしかない。

「……っ」

ためらいも、動揺も感じられぬ、冷徹さを極めた重みで目前まで迫った鋭い先端をなんとか剣で弾き、一歩後退しながら

「何故……!!」

ルシフェルは声を上げた。

「あなただってわかるはず。あなただって人だった……家族を、大切な人を失う痛みは……」

その瞬間、再び鋭い一閃が目の前をよぎる。

思わず後ろに身をのけぞらせたルシフェルの体すれすれに空気が切り裂かれ、足元で粉塵が上がった。


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