DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


迂闊ともいえるウリエルの発言。

その言葉を聞いた相手も、今は動きを止めている。

目を見開き、声を失った。巨大な剣を構える赤い髪の……少女。

(まさかとは思ったけど……)

ファーレンは対峙する二人を見て、その相手が間違いなくウリエルと同じものだと確信した。

話は聞いたことがある。

失踪した、ミカエルと一緒に作られたというもう一体の天使ルシフェル。

少し前からここで様子を見ていたファーレンは、会話の内容も聞いている。

争いにきたわけではないという言葉どおり、戦闘に入っても尚、ルシフェルの振るう剣に翳りがあることにファーレンは気がついていた。

迷いという名の翳り。

ルシフェルが言葉どおりの意思を持ってここに来たのなら……

今のこの状態は、あまりファーレンにとっても望ましいものではない。

このままいけば、もしかしたらと頭をよぎった思惑とは遠い結末を生みかねない。


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