DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
でも、それは今となっては幻想でしかない。
「何を言ってるの? ルーシー」
「そうだよ、僕、ほら。なんともないよ」
苦笑する母と、両手を広げてまわって見せる弟。
「違うよ、母さん……レン……」
そう、これは幻。
張り裂けそうな思いが、声に嗚咽を混じらせる。
夢見た光景を自らの言葉で否定しながら、ルシフェルが強くかぶりを振り
「違う!! 違う!! 貴方達は、わたしの母さんじゃ、わたしのレンじゃない!!」
叫びながらずっと手に握り締めていたものを体の前に構えると、目の前の二人は悲しげな表情を浮かべた。
そして
「こんなのまやかしでしかない!!」
全てを否定する言葉を、ルシフェルは涙と共に吐き出す。
目の前の二人を。
会いたくて会いたくてたまらなかった。
愛しいその存在。
それを模した幻影を打ち砕く言葉を――