DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―7―)






ゴゴゴゴゴゴ……





階上から聞こえる地鳴りのような音に、廊下を駈けていた足を止め年若い兵士は背後を振り返った。

「副隊長!! 急いでください!! こっちです」

自分の後ろ、やや遅れてついてくる老齢の兵士に叫ぶ。

まさかこんなことになるとは思わなかった。

隊長はこうなることをあの時点で予想したというのだろうか?

普段いまいちやる気があるのかないのかわからない、のほほんとした隊長が、珍しく見せた真剣な顔と口調を思い出す。

只ならぬ雰囲気を察して急いで下に降りて正解だった。

「待てカッチェ……わしはお前ほど若くはないんだ、そんなに早くは……」

要塞は今や大きな揺れで只でさえ走るのも容易ではない。

しかし、壁に入り始めた細かな亀裂や、天井から落ちてくる粉塵が気持ちを焦らせる。

ここはもうそう長くは持たない。

早く此処を離れねば……

「副……ガルベスさん!!」

カッチェは急いで後ろへ戻ると、副隊長の手をガッシとわしづかみにし

「隊長命令なんです。泣き言を言わない!! 弱音を吐かない!!」

周りの騒音に負けないよう大声で老兵士に言うと、その手を掴んだまま走り出す。



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