DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
相手は副隊長……上官にあたるがこの際そんなことにかまってはいられない。
カッチェがファーレンから伝言を預かり階下の広間に降りた頃には、すでに揺れが強くなっていて、異変を感じた兵士達が集まっていた。
階上の騒ぎは揺れの前から下にも聞こえていたらしく、ファーレンからの伝言を伝えると、皆、我先に出口へと向かって退避をはじめた。
一介の兵士ではあるが、隊長から伝言を預かった身。
カッチェは退避する兵士達を数えて、足りない人間がいないかを確かめていた。
ファーレンの下で働くのが初めてではなかったカッチェはファーレンの口癖をよく知っている。
「俺の隊の者の最大の任務は生き延びること。誰も死んだら駄目だからね~」
常にのんびりとそんな調子のもの言いではあるが、それが本気なのを知っている。
皆が広間を出たところで、副隊長がいないことに気がついた。
もしやと思い、ファーレンが使っていた個室へとむかったところで、案の上彼を発見して急いで脱出するようにとの言葉を伝え、今、一緒に最後尾を走っている。