DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
彼はウリエルを連れてくると言った。
機械人形。それも人間などよりもはるかに強い彼女すら、彼は守ろうというのだろうか?
「おおおっ……!!」
建物から外に飛び出した瞬間に、真横に落下してきた壁の一部であろう石の塊に、ガルベスが慌てて横に飛びのいた。
続けて落ちてくる小石や大きな塊を避けつつ、要塞から少しでも離れるために走りながら、ちら、と振り返ったカッチェは息を呑んだ。
「なんだ……あれ……」
ウリエルいた付近、城壁の上から四方に差す青白い閃光。
その中心に見える光の球体が今にも破裂しそうに膨れ上がって、城壁を上から圧迫している。
圧力に耐えかねた壁は悲鳴をあげるようにミシミシと大きな音を立てて亀裂を広げている。
そして……
城壁に沿うように外側に取り付けられた階段を分断するようにその亀裂が延びるのをカッチェが目にした瞬間。
「う……わっ」
城壁の上の球体が一際まぶしくその光で空を染めた。
一緒に足を止めそれを見ていたガルベスがうめく声を聞きながら、眩しさに耐え切れず目を瞑ったカッチェの瞼の裏。
にこやかな笑顔を湛えたファーレンの面影がよぎる。
騙しつづけてきた不安が一気に胸に広がるのに堪え切れず、カッチェは声の限りに叫んだ。
「隊長おおおおおおお!!!!」