DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



「もう少しです!! 頑張って!!」

ゼイゼイと苦しげな息を背後で吐くガルベスを励ましながら、目前に見える出口へと真っ直ぐ走る。

ガラガラガラ……

揺れに耐え切れずどこかが崩れたのだろうか、ずっと後方で聞こえる音。

(いつも……そうなんだ)

カッチェは歯を食いしばる。

一人階上に残してきた隊長が気がかりでならない。

少しでも状況が悪くなりそうだと判断するやいなや、撤退することもしょっちゅう。

勝ち戦でも決して深追いはしない。

イマイチやる気の無い隊長。

けれど、それがファーレンの口癖を実現させている。

彼と同じ隊で戦場に赴いた時に、怪我人は出ても誰かが死んだ記憶がカッチェにはない。

嘘のような奇跡のような話。

けれど、それは彼自身が身体をはって成し遂げてきたことだ。

いつも先陣を切り開き、後退する時は最後尾を守る。

そうやって、自らの言葉を体言させてきたのだ……


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