DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
シルバの言葉にファーレンは息を呑んだ。
この魔物は、知っているのだ。
ルシフェルも、ウリエルも……
「彼女達は、人間です」
軍でも一部の者しか知らない事実。ファーレンでさえ、昔のウリエルを知らなければ知りえなかったであろう、隠された真実。
ルシフェルが話したのだろうか?
それとも伝承に伝わるとおりに魔物が持つという不思議な力によるものなのか?
なんにせよ、全てが知られている。
それを裏付けるかのように落とされた一言に、ファーレンはただ黙って頭を垂れるしかなかった。
「何故……人間は同じ者同士争うのです? 何故同じ人間をこんな身体に作り変えてまで……」
悲しげに瞳を細めて、シルバはファーレンの腕の中のウリエルを見やる。
「ルシフェル……ルーシーはずっと悔いて苦しんでた。彼女の怒りも悲しみも後悔も……最もだと僕は思った。だから、彼女の望みを叶えたいと思った。ルーシーを憐れだと思った……。君はどう? そんな彼女を見て何も感じないかい?」