DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
相手に争う気が無いことはファーレン自身感じていた。
けれどルシフェルに危害を加えようとした自分に何故敵意を見せないのか。
無気味に見えていた魔物の静かな立ち振る舞いの理由を得て、ようやく肩の力を抜くことが出来る。
そっと息を吐きながら、漏らすようにファーレンは呟いた。
「……何者なんだ?」
「僕はシルバ。只の魔物です。縁あって彼女と知り合った……そして彼女の望みを叶えたいと思ってる」
「魔物が人間の望みを?」
「そう……人間の、ルーシー・マクドナルドという少女の望みです」
なんとなく口にした疑問に相手が寄越した答えにファーレンはハッとして顔を上げる。
シルバの紫紺の瞳が見透かすようにファーレンの瞳を覗き込んだ。
「その子も、人間だったのでしょう? 彼女達は元は人間だった。けれども今は違う。あなたは……いえ、あなたではないけれど……誰かが彼女達をああした。違いますか?」