DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「何の騒ぎなの?」
少女はそんな台詞聞こえてないとでもいうように同じ言葉を繰り返す。
真っ直ぐな視線で見上げられれば、無理にでも口を割らずにいられない。
強い、強い視線。
「あ……ああ。この奥の診療所にディラハンの野郎がいるらしいんだが医者が匿ってなかなかだそうとしないんでな……この騒ぎだ」
「ふうん……で?」
「何?」
「医者がそのディラハンの者をだしたらどうするつもりなの?」
「どうするもなにも……皆奴らには恨みがある。只では済まんだろうよ」
この少女は何を知ろうというのだ?
少女といってももう十代半ばは過ぎてるだろう……それくらいのことは聞かずとも察しがつくだろうに。
男が首を傾げ眉をひそめながら言葉を返す。すると
「そう……」
少女は短くつぶやき溜息を吐き、はおっていた外套の首元に手をかけた。
「わからないでもないけれどね。それでも、私刑は違法になってるのよ」
バサリ、と肩からはがした外套を地面にそのままおとした少女。
中に着ている服が目に入った途端、男は驚きの表情を浮かべた。
「軍……服?」