DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
普段受けている恩も忘れ、医師にすら悪態をつきたくなる。
何故そんな奴を庇う。
早く、早く出しやがれ。
憎き敵国の兵を。
恨みを晴らすための獲物を……
随分と待っても変わらぬ状況にいらだたしさは募る。
まだか、まだか。
前にいる人間の肩に手をかけ、さらに伸び上がろうとして
「ちょっとおじさん」
不意に後ろから声をかけられ、腕をぐい、とひかれた。
「なんだうるせ……」
振り返った男は一瞬息を呑む。
まるで人形のように細く華奢な美しい少女がそこにいた。
憎悪渦巻くこの場におよそ不似合いな、凛とした空気をまとう金糸の髪の少女。
「何の騒ぎなの?」
淀んだ空気になじまぬ澄んだ声が訊ねる。
「お嬢ちゃん。お嬢ちゃんみたいな子が来る場所じゃない。夜も遅いんだ、家に帰りな」
自然、そんな台詞が男の口をついた。
だが