DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>



「ああ……知ってるぞ。アイアン・メイデンだ……」

「俺も見たぞ。あれは確かミカエル」

「守護天使だ。新しく開発された戦闘人形」

「そうだ、ニュース配信で見たぞ」

「だが、何故守護天使がこんな所に?」

叫ぶことをやめた者達が代わりに産みだした新たなざわめきが徐々に前方へと広がっていく。

戸惑いざわめきながらも、突如現れた戦闘人形の持つ得体の知れない、どこか恐怖にも似た存在感は人ごみの中に細く道を開いていく。

その中を縫うようにミカエルはただ前だけを見据え背筋を伸ばし、つかつかと進んでいく。

半ばほどまで進んだ所で、診療所の前で群集を阻んでいた憲兵達もミカエルの存在に気がついた。

「静かにしろ!!守護天使様が来られた。中のディラハン兵の処置は守護天使様が決められる」

「すぐにここから去れ。逆らうものは懲罰を受けることになるぞ!!」

どこか安堵したような表情をした憲兵達が、勢いを得たように声を張り上げる。

憲兵の声に、後方で起きた異変に気付いていなかった最前線の者達も何事かと、振り上げていた手をひとたび止めた。



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