DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
ようやく診療所のドアが見える場所まで来たところでミカエルは足を止め、集まっていた人々の方を振り返った。
「中の兵の身柄は軍が預かります。今すぐこの場を解散しなさい。王室はこのような騒動を快くは思わない」
「だが……っ」
「王室の命令です。今すぐ退きなさい」
診療所に立ち並ぶ人々の不満げな声をミカエルは一蹴する。
その揺るぎの無い一言に一瞬人々は息をのんだものの、溜まりに溜まり膨れ上がっていた不満の塊がそうやすやすと収まるはずもなく。
「聞けるわけ無いだろう!!」
少し後方から怒声があがったのをきっかけに、再び次々と声が上がりだす。
「そうだそうだ!! 軍に、王室に何が分かる。俺らは目の前で家族を奪われたんだ」
「あいつらのせいで生活をめちゃくちゃにされた!! 住む場所も奪われた」
「どうせ罰する者を俺らが裁いて何が悪い」
口々に不満をぶちまける。
多勢を得た心理はやがてエスカレートし、やがては敵のみだけではなく、自分達を阻む者へも向けられる。