DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
赤子を両腕で抱いたまま、アレックスは女に背を向け、来た道へと足を踏み出した。
(一度、戻ろう)
軍用トラックの場所から出発して、もう二時間ほど経っている。
ボルグが呼んだ応援部隊も着ている頃だろう……
「行こう」
いつまでも泣き止む気配のない赤子へ言いながら、もやもやとした気分を振り払うように、急ぎ足で進む。
先ほどからどうも気分が悪い。
長く煙を吸っていたせいか……
それとも……
何故かひどく疲れたような感覚にアレックスは襲われていた。
はっきりとした理由はわからない。
ただ街中を歩いただけで、本来これくらいで疲れるようなことは無い。
だが、足が……背中が……重い。
ただただ今は。
とにかく少しでも早くこの場から立ち去りたいと……そんな思いに駆られていた。