DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
(―5―)




――結局、戻るまでの間、アレックスはそれ以外の人間に会うことはなかった。

幾分火の勢いがおさまった町の中心部を抜け、元の場所に戻ると、応援のトラックと救護車両が見えた。

泣き疲れ、眠ってしまった赤子をまっすぐ救護車両の隊員に渡す。

「怪我はないと思う」

隊員に告げると

「奇跡だ……他に収容された者は皆重度のやけどか怪我を負っているのに」

傷ひとつ負っていない赤子を見て隊員は驚きと喜びの交じり合った表情で涙を浮かべた。

「神よ……」

祈るように天を仰ぎつぶやく隊員に背をむけ、トラックへ向かう。

「おい」

不意に呼ばれ顔を上げると、トラックの荷台に背をもたれさせ、腕組みをしてこちらを見ている鋭い視線と目が合った。


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