DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
座ったものの、なかなか口を開こうとしないボルグに
「飲み物でも、いれますか?」
とアレックスが声をかけ、席を立とうとすると
「いや、いい。悪いな……遅くに……」
ようやく口を開き、座れというかのように目で促した。
言われるがままに座り直したアレックスに、腕組みをして背を丸めた姿勢で顔だけ上げ、いいにくそうに口を開く。
「あの……なんだ。最近もあの娘に会いにいってるのか?」
「……ルーシーのことですか?」
「ああ」
以前、王立孤児院へルーシーに面会に行き、出てきたところボルグに会い、アレックスはルーシーに会いに来たことを告げた。
時折訪れていることも……
その時、ボルグは少し意外そうな表情を浮かべたものの、深く理由を聞こうとはしなかった。