DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>


「いいんです。人間らしくない……自分でもそうなんじゃないかと思ってたところです」

まじまじと自分の顔を見つめるボルグにアレックスはそう言って、席をたった。

「やっぱり飲み物をいれます……少し話してもいいですか?」

思わぬアレックスの反応にあっけにとられたままのボルグの前にグラスが二つ置かれ、琥珀色の液体が注ぎ込まれる。

「お前、酒も飲むのか?」

「おかしいですか? でも成人してるし問題ないでしょう?」

「そりゃ、もっともだ」

驚きつつも、どこか嬉しそうな笑みを浮かべ、ボルグは頷いた。

再び腰を下ろしたアレックスはグラスに口をつけ、苦く、熱い液体を喉に流し込む。

やや度数の高い琥珀色の酒は、軽い倦怠感とともに、心地よさももたらしてくれる。

眠れない日々が続いたために顔色が悪かったアレックスに、試してみろと、行きつけの食料品店の店主がすすめてくれたものだ。


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