DARK†WILDERNESS<嘆きの亡霊>
「レンフィールド、おまえ……もしかして……」
俯き加減に話すアレックスを見ていたボルグがはっとした表情を浮かべた。
「ええ」
アレックスは短くうなづく。
「生まれて間もない頃に、住んでた所が戦火に巻き込まれたようで……南西の、森に近い小さな村だったと聞いてます。壊滅状態の村で、唯一発見された生存者が俺だったそうです」
どこか他人事のように、アレックスは自らの生い立ちをボルグに話した。
それからずっと王立孤児院で育ったこと。
訓練に明け暮れ、規律に支配され……
個人的な繋がりを絶たれた、孤児院での暮らし。
「それが当たり前だと思っていたし、こんな風に誰かに話したりすることも今までなかった」
淡々と話されるアレックスの過去を聞くボルグの表情が、暗く、沈んだ。