脱出

チキショウ！
また追って来やがった

貴様は誰だ！
なぜ私を追うんだ

姿を表せ
フゥフゥフゥ…

誰なんだ一体！



フゥ〜
夢か

体中が、汗でびっしょり
本当に走ったみたいに、体も疲れている

フトンは、蹴飛ばしたのだろうか、窓際まで吹っ飛んでいる

また悪夢を見てしまった

夢の中で私は、何かに追われて逃げている訳だが、今回は見覚えのある風景であった

どこだろうか？

その風景は次の日、会社へ通勤する途中に発見した

ここか！

そこは、ごく普通の民家が並ぶ道路である

何か関係があるのだろうか

私は次の日、そしてまた次の日と同じ悪夢を見た
そして、一つ分かった事がある

それは、夢の中で私は追われ、どんどんと私の自宅へと近づいているのである

なぜ同じ悪夢を見続けるのか？
なぜ自宅へと逃げているのか？

その点は、全く分からない

しかし、あと少し
夢の中で自宅へと到着すれば、結末が見えるだろう