桜花散恋
「山南さん、葉月です」
『・・・何か?』
「あ・・あの!お茶をお持ちしました!」
『・・・どうぞ』
「!失礼します・・!!」
山南さんの部屋の襖を開いた。
中にいた山南さんはこちらを向かず、ただひたすら机に向かっていた。
まさに何かに取り憑かれているかのように、筆を走らせる。
「あの・・・、」
「お茶ならそこに置いてください、あとで飲みますから」
山南さんはまったく手を止めない。きっと置いていっても冷めてしまう。
「いっ・・今!!今飲んでください!!」
「・・・何故、君にそんなことを言われなければならないのですか?」
「(う・・!)」
やっと振り返った山南さんの言葉はとげとげしいもので。
「今でなければいけない理由などないでしょう?」
呆れたような、軽蔑されたような言い方に怯んでしまいそうになる。
だけど、ふと土方さんの横顔が脳裏に浮かぶ。
―――山南さんが抱える思いを教えてほしい。
―――背負っているものをわけてほしい。
だけど、山南さんはどんどん一人で抱え込んでしまう。