エリートな貴方との軌跡
言葉の意味が解るから余計にドキドキして、ますます頬の赤みが引きそうもない。
「うわっ、職権濫用…!」
そんな私の顔を眺めつつ、再び満足気な表情にシフトするスマイルキラー。
「違いますっ、今日は早く眠りますから!」
恥ずかしさと悔しさが相対して、慌てて否定しようとしても。
「あーあ、フラれて可哀想ー」
「さぁな…、それじゃあ頼むぞ――」
回転の速い2人のテンポにはついていけず、私はもううろたえる外ない…。
もう…、修平さんのバカ―――!
「ほら、帰る準備しておいで。
早くしないと、ホントに眠れなくなるよー?」
「…っ、分かりました!」
松岡さんに急かすように言われて、悔しさを滲ませるあたりはコドモだ…。
これから先、いくら年齢を重ねて、役職を付けて頂いていても。
エリートな彼らに及ぶどころか、絶対に敵わないよ・・・
そうして2人にクツクツ笑われながら、デスクへ戻って帰り支度をした…――