エリートな貴方との軌跡
もうその瞬間から、一気に意識を攫われてしまう…――
「で…、何て言おうとしたんだ…?」
溜め息をひとつつくと、松岡さんにに伺いを立てる修平さん。
圧倒的なオーラ、先ほどまで抱き締められていた爽やかな香り…。
それらを背後にヒシヒシ感じれば、打ち始めた早鐘は止まらない・・・
「よく言いますよ…、聞こえてたでしょうに。
そちらこそ顔を覗かせるとは、どうしました…?」
飄々と尋ね返せば、なおも挑戦的な笑みを浮かべるスマイルキラー。
「仕事ついでに、と言いたいトコだが…――
被告人質問には、当然“弁護士”が必要…って、俺も被告人か?」
「へぇ、認めるんですね」
返事も無しに自嘲しつつ、そのまま私の隣へと歩み寄って来た修平さん。
「偽証罪に問われるくらいなら、この場で証明するし…?」
「ッ・・・」
優しいダークグレイの瞳で見つめられて、鼓動がドクドク煩さを増していく。