王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
「俺が忘れさせてやるよ」
「え……?」
「俺が元カレのこと忘れさせてやるって言ってんだよ」
「意味分かんないよ……」
間近で見る機会のなかった愛川未来の顔。
クルッと上がった睫毛、大きく澄んだ瞳。
小さな唇、少し赤らんだ頬。
こいつは男受けする全ての要素を兼ね揃えている。
俺は愛川未来の手を強引に掴み、自分の方へ引っ張った。
その拍子に愛川未来は俺の胸にドンっと顔をぶつける。
「お前の未来(みらい)は、俺がもらう」
俺は愛川未来の華奢な体を力一杯抱き締めて耳元でそっと囁いた。
「え……?」
「まぁそういう事だから」
「え?そういうことって……?どういう……こと?」
顔を真っ赤にして動揺している愛川未来。
その頬をもっと赤く染めてみたくて。
俺だけをその瞳に映したくて。
元カレのことなんて考えられないくらい、俺色に染めてやる。
「お前は俺のものだ」
俺はそう呟くと、赤く染まっている愛川未来の頬にキスを落とした。