王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜

彼には目には見えない魅力がある。


それが何かは分からないけど、新城隼人を見てキャーキャー騒いでいる女の子の気持ちが少しだけ分かった気がした。


だって、今……あたしは彼に触れたいと思っていたから。


柔らかく脱色された金色の髪も。


細いけれど男らしい筋肉の付いた腕も。


シルバーのピアスを付けている小さな耳も。


クロムハーツの指輪を付けている中指にも。


彼に触れて、その熱を感じてみたいと思った。


昨日抱きしめられた時に感じたあの熱にもう一度包み込まれたい。


自分の気持ちに戸惑っていると、


「……ん……」


新城隼人は目を覚まし、ゆっくりと体をベッドから持ち上げた。


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