王子様は金髪ヤンキー!?〜My last lover〜
でも、いざ保健室に二人っきりとなると何故かどことなく気まずい。
昨日の言動も気にかかる。
それなのに新城隼人はそんなあたしの気など知る由もなく、欠伸をしたり背伸びをしたりしてリラックスした様子で。
仕方なくあたしも平常心を装い、そっと彼に声を掛けた。
「なんか眠そうだね?」
「あぁ。最近忙しくて」
「そっか。大変だね」
「だな」
呆気なく会話終了。
あたしは心の中で溜息をついた。
昨日まであたしと彼は他人同士だったんだ。
今だってあたしと彼の関係は何も変わっていない。
抱きしめられて、頬にキスもされた。
だけど、彼にとってそれは意味のあるものではなかったんだ。
共通する話題があるとも思えないし、話が弾むはずないよ。