至近距離恋愛 -Hero-
「俺は正義の味方、サンダーマンや!」


「はぁ!?お前、アホ?」


稔は見下すようにため息をついて、あたしの手を掴んだ。


「杏里、行くぞ!」


「やっ……!」


抵抗しようとしたあたしよりも先に、目の前の怪人があたしを庇うように引き寄せた。


「杏里に触んな!」


「はぁ!?お前、いい加減にしとけよ!」


稔は言い終わるよりも早く、怪人を殴った。


「やめてよっ!!」


あたしは、倒れ込んだ怪人に駆け寄った。


< 116 / 130 >

この作品をシェア

pagetop